俺様御曹司は逃がさない

な、なんとかギリギリセーフ……なのかな?多分、バレてないと思うけど……多分ね?


「……薬、飲まないとですよーー」

「俺、口移しじゃねえと薬飲まないよ?」

「は?」


九条の胸元に埋まってた顔を上げると、ニヤニヤしているクズ条(九条)と目が合った。


「飲ませろよ、薬」

「冗談はその性格だけにしてください」

「お前、本当に女?」

「逆に聞きますけど、あたしが男に見えます?」

「俺と合法的にキスできるなんて、普通の女なら喜ぶっしょ。お前おかしいんじゃねーの?」

「はあ、あたしは悪寒しかしませんけどね」


あたしがそう言うと、九条のニヤけ面が真顔になったと思ったら、ポイッと捨てるようにベッドから落とされたあたし。


「いっったぁぁ!!」


床にベチャッと這いつくばっているあたしに、“さっさと薬寄越せよ”と言わんばかりの顔で見ている九条。ほんっっとうにうざい!!


立ち上がって薬と飲み物を手に取り、投げ付ける勢いで九条に渡した。いや、もはや投げた。


「チッ。お前、誰に向かって物投げてんだよ!!」

「取ってもらっただけ有り難いと思え!!さっさとそれ飲んで寝ろ!!」