俺様御曹司は逃がさない

「いや、やはりこういう時は柊弥様がお好きなっ……」

「霧島さん。スポーツ飲料もしくは経口補水液です。スポーツ飲料ならその辺の自販機にも売っていますので、ひとっ走りしてみてはどうでしょう」


真顔で霧島さんを見つめると、ガクッと肩を落として部屋から出ていった。


「おい」

「ハイハイ、なんでしょう」

「お前……妙に霧島と仲良くなってね?」


九条は布団の中に潜ってるから、今どんな顔をしているのかは分からない。でも、何となく機嫌が悪そうなのは伝わってくる。


「別に普通でしょ」

「どうだかな」

「仮に霧島さんと仲が良かったとして、それが何か問題でも?九条様には関係のないことかと」

「お前、ド庶民で貧乏人の分際でやらしいよな」

「……は?」

「地味にモテるのやめてくんね?」


・・・・いや、全く意味が分からん。

モテる……?はい?モテるの“モ”の字もないですけど。何ですか、これ。新手のイジメか何かですか?


「はは。仰っている意味がよく分かりません」

「霧島も妙にお前の話ばっかするし、蓮だってそうだ。学園の連中も『意外と可愛くね?』とか言ってるらしいしよ」

「は、はあ……」

「……他の男は良くて、俺はダメなのかよ」