俺様御曹司は逃がさない

「高熱……ですか。病院は?」

「柊弥様が行かないと仰ってて」

「そうですか。ちなみに何度なんですか?」

「37.5℃です」

 
・・・・は?……あ、いや……まあ、人によっては微熱ライン。高熱とは……言わんでしょ。霧島さんがこんなにも取り乱しているから、もっと高熱を想像していたんだけどもぉぉ……ぶっちゃけ反応に困るわ。


「柊弥様は風邪知らずです。私が旦那様から“柊弥に風邪ひとつ引かせるな”と脅されっ、いや、申し付けられていたので……」

「は、はあ……そうですか」

「もうどうしていいか分からず、七瀬様なら免疫力めちゃくちゃ高そうですし、何かと詳しいと思いまして……育った環境的に」


・・・・あの、しれっとディスんのやめて。まあ……自分の風邪、弟たちの風邪、親の風邪……全部あたしが面倒見てきたけどもさ。


「まあ、基本は学園外で関わりたくないんですけど、あたしは一応九条様のサーバントなので、病人のお世話はお任せください」

「助かります」


──── コンコンッ。


九条の部屋のドアをノックしたけど応答なし。


「失礼します」


ガチャッとドアを開けて部屋に入ると、布団に埋まっている風邪引き九条を発見。やれやれと思いつつ、九条のもとへ歩みを進めた。