俺様御曹司は逃がさない

あまり知らない番号は出たくない。でも、なんだか出なくちゃいけない気がする。


「……あのぉ、ちょーーっとすみません」


蓮様達に頭を下げてススッと部屋から出た。そして、通話ボタンを押す。


〖はい、もしもし。どなたっ……〗

〖もしもし!?七瀬ちゃん!!〗


この声、霧島さんだ。しかも『七瀬ちゃん』呼びになってるし……。


〖霧島さん?どうしたっ……〗

〖俺の首が飛ぶ!!おそらく物理的に!!〗


・・・・いや、マジで意味分かんない。


〖あの、落ち着いっ……〗

〖助けて七瀬ちゃん!!柊弥が死にそうなんだって!!〗


九条が死にそう……?死にそう……死にそうっっ!?!?


〖はあっ!?一体どういうことですか!?〗

〖今すぐ屋敷に来て!!今すぐ!!迎えはもう行かせてるから、正門にダッシュ!!〗


いや、あの、あたし病み上がりなんすけど──。


〖あの、さすがにダッシュはっ……〗

〖つべこべ言ってないでさっさと動け!!〗

〖あーーそうですか!!分かりましたよ!!〗


イラッとして、何か言おうとしていた霧島さんをスルーして、通話をブチッと切った。溜まり場のドアを開け、ひょこっと顔だけを出す。