────── この男、危険な匂いがする。


・・・・危険な匂いって、要はクズっぽいってことね?


「ま、俺の女にしてやってもいいけど?」


この男……顔面偏差値たっかーーい。

無駄にイケメンすぎるとは、まさにこの男のこと。

女に困ったこともなければ、絶対にフラれたことないだろうなぁ。自信に満ち溢れ過ぎちゃってて、なんだか眩しいわ。

“俺の誘いを断る女なんて、この世に存在しない”と言わんばかりのドヤ顔してるし。



────── うん、ないな、ナイナイ。



こういう男と関わると、ろくなことはない。

あたしが今、すべきことは……。


「あっ!!なにあれ……UFO!?」

「あ?」


謎の男があたしから目を逸らした瞬間、猛ダッシュして逃げた。


「おいっ!!待て!!」


この状況で待てって言われて、待つバカがどこに居んのよ。てか、デジャブ!?

あの老人といい、高級車男いい……一体なんなの?あたし、命でも狙われてます!?何もしてないのに!?

もぉ、最っっ悪!!怖いんですけどぉぉーー!!


「はぁっ、はぁっ、はぁっ、……っ、マジでなんなの!?」


・・・・あたしは死に物狂いで爆走した。