カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜

もう殺されたっていいって思ったけれど、一瞬でその考えは吹き飛ばした。

カナデくんの隣で生きて生きて、二人で幸せな未来を紡いでいこう。

もう愛する人を疑ったりしない。
また不安になってどうしようもない日が来たら、一番に信じて欲しいあなたを抱き締めるから。

大丈夫だよって笑って、負けないくらい抱き締めて。

「あー、早く式、終わらせよ」

「先輩?」

「お前のことめちゃくちゃにしたくておかしくなりそう」

耳元で囁いたカナデくんがニッて笑って、全校生徒のほうへ体を向けた。

本当にこんなとこで何言ってんの!って思ったけれど、みんなの目があるから怒ることもできなかった。

深々と頭を下げたカナデくんがステージから下りて、鈴城さんが残った生徒会員達を抱き締めて、頭を下げてステージを下りた。
カナデくんと鈴城さんは、私達のほうを見て、また深い深いお辞儀をした。

先輩達も私も泣いていた。

託された物の大きさに。
今まで与えてくれていた愛の大きさに。

マイクスタンドの前に立った鈴城さんが、鈴の鳴るような綺麗な声で言った。

「校歌、斉唱!」

たくさん間違えて、傷つけた。
カナデくんにとっての綺麗な思い出も汚してしまったかもしれない。

生徒会室に行ってもカナデくんも鈴城さんも、もう居ない。
でもこれから先もずっと隣に、私達のすぐ近くに居てくれるんだろうって思った。

そしてカナデくんとはこの先ずっと、いろんな恋の形を見ていきたい。

幸せなことばっかりじゃない。
すれ違うことも数えきれないくらいあるかもしれない。

だけどもう間違えない。

カナデくんと鈴城さんが残してくれたこの場所で、二人が守ってきた学園を今度は私達が守るから。

愛が溢れるこの場所で、人の愛し方を教えてくれたあなたの為に。



カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者 〜正しい恋の忘れ方〜   完