「あたま良いねりっちゃんっ!」
「うん?」
あ……、やべ。
真琴がピコンとアホ毛を立てて純粋な笑顔を向けてくるもんだから、たぶん自分でも驚くほど優しい顔しちゃった気がする。
「半分にできるやつって、ひとりで食べるとお得な感じするもんねっ」
「……ばーか。真琴にあげるんだよ、その半分は」
「ええっ!まじすか!」
「だって真琴のクッキーも食べたいし」
「はわわわっ、これだからりっちゃんの親友はやめられないんだ!!プリーズミーハグっ!!」
ああ、また、今日もだ。
彼女にとって親友としての好感度が上がるたびに、どーしようもない。
これってビョーキ?
あたまおかしーの?
この子しか見えなくて、この子を自分だけのものにしたいって本気で思ってんのとか。
まあ、ねえ。
この親友相手に抱く感情じゃないってことくらいは自分も女だから嫌でもわかるさ。
どうにも困ったことに、私が恋をした相手はなんと────同性なんだって。



