あんなの小学生のときに買ったガラクタの1コだよ。
特別な思い入れなんかないし、たまたまあったから飾り程度に付けたってだけ。
「…上鷹先輩も…真琴を心配して探してくれてんだよ、」
「そんなのいいっ」
「いいわけねーだろバカ。真琴に振られてあいつ…一休さんになってるし、」
「しらないっ」
「……こんな季節に川って、風邪確定じゃん」
「うるさい…っ」
うるさいってなんだよ。
ここまで探してやった人間に対して感謝が足りないんじゃないの。
「…それでも…ヘアピンのほうがたいせつ?」
「うん…!!!」
気づいてないんだろーな。
私がいま、泣いてること。
だって真琴だもん。
それが真琴だもん。
私の気持ちに気づいてくれたことなんか、悲しいけど1度だってない。
「上鷹より……私のほうが、大切?」
「うん…っ!!」
知らないままでいいと思った。
それが今だけだとしても、ここまで私のために必死な姿が見られるなら、このままでいいって。
だってこれ────嬉し涙だ。



