学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





流れるままに歩道側。
私の歩幅に合わせられるスピード。

守られることに対する抵抗感はもう、なくなった。



「なるほどガチの感じね。大将、じゃあ俺に試食係をさせてくれません?」


「……タダで?」


「んーっと、手をつなぐ」


「…藍先輩がしたいだけですよね」


「ご名答。あ、なんだったら荷物も持とう」



クスッと笑うことが増えた。

そのたびに愛しそうに見つめてくるから、逸らす回数も増えた。


時間がゆっくりゆっくり、解決してくれようとしている。


なかには解決できなかったものはあるかもだけど、それを悪いものだとも思わない。

これはこれで、と、今なら言えそうだ。



「ねえ律。明後日の文化祭、俺といっしょに回ろ?」


「……女子たちに殺されます」


「だからそれは俺が頼りなかった場合の話」



頼りにしている。

今の私は誰よりも頼ってるかもなあ…。



「…守ってくれるんですか」


「もちろん」


「……考えとく」


「前向きな検討をどうぞよろしくお願いしますね切実に」


「……ふはっ」


「かーわい。…教室迎えいくから」



触れられて、気づく。

髪もまた伸びたってことに。