「りっ、りっちゃ、…律ちゃん……!」
薄力粉だとコシがそこまで出ない。
中力粉がいちばんうどんに適していて一般的。
トマト麺にしたりバジル麺にしたり、今日は何に挑戦してみようか。
と思いながら教室を出ようとした私に、緊張ぎみの声がかかった。
「ん?どしたの?」
「…また…、明日…」
「あ、うん。また明日ね真琴ちゃん」
ヒラヒラ手を降ってから下駄箱を目指すと、今度は誰かを待ち伏せている3年生を発見。
「律、いっしょ帰ろ」
「今日は任務があるんで。ごめんなさい先輩」
「任務?なにそれ」
私と彼女の呼び方が変わったように、私と彼の呼び方も自然と変わった。
思えば2歳も年上だ。
先輩として敬うべきところは敬うべき。
この人から学びたい部分は、意外にもたくさん思いつく。
「うどん作るんです」
「うどん?え、めちゃくちゃ楽しそう。俺も混ぜてよ」
「ダメです。これ遊びじゃないんで」



