泣く?
それか発狂する?
私が選んでたどり着いた場所は、こんなところだった。
「これが私たちの新しい形ってだけなんで」
「……そうか。お、シオカラトンボ」
「…塩辛?」
「って名前のトンボなんだ、こいつ。青くて綺麗だろ」
「へえ~」
踏み込んできたと思えば下がって見守ってくれるうっちーが本当に好きだ。
だれかにこういう安心を与えられる人間になれれば、結婚だとか子供だとか以上の尊いものが手に入るような気もする。
「ねえうっちー、もうとっくに終わったけどめちゃくちゃ人気だったドラマ観てた?」
「あーー、あの“猫とオイラの探偵日記”みたいなやつだろ?」
「ちがう、ボーイズラブのやつ」
「そっちか」
いや、そっちかって。
猫とオイラの探偵日記なんて聞いたことないけど。
………なにそれ地味に面白そうじゃん。



