「あんたなら真琴を笑顔にしてくれると思ったから……上鷹先輩で良かったんですよ、私は」
今のあんたじゃなく、前までの。
自分の気持ちに一直線で、私にないものを持っている上鷹 汀なら真琴の笑顔もぜったい守りつづけてくれるだろうと思ったから。
「…瀬戸、俺はおまえに対して気がかりなことがある」
「……はい」
「祭りのときもそうなんじゃないかって思った。……おまえが好きなのは───」
見破られた3人目がこの男で幸運だった。
上鷹先輩の唇は確実に私がよく知る人物の名前を型どって、私の耳にもしっかり届いてきた。
藍さんにも言われたけど、自分のものみたいに話してしまうことは許してほしい。
それくらい私の気持ちは本物だった。
それくらい、だれにも負けたくない気持ちだった。
「ひとの失恋の上に成り立ってた幸せなんだから───…そう簡単に離してどーするんですか」



