「あっ、りっちゃん…」
「真琴もグズグズして授業遅れんなよ」
言霊(ことだま)というのは本当で、言葉にずっと出していると私のなかで真琴がだんだん特別ではなくなってくる錯覚。
────やっと嫌いに、なれるような気がした。
「とかいうおまえも授業どーした、瀬戸」
「サボりました」
もはや実家のような安心感。
真琴に言ったセリフがブーメランになって突き刺さってきたけど、気にしない気にしない。
「一休さんも言ってるじゃんうっちー。ひと休みひと休みって」
「昼休みでじゅーぶん休めたろ」
「ぜんぜん」
よく泣かなかったよ真琴。
あそこまで私にひどいこと連発されといて、子供みたいにビービー泣かなかったのが誤算だった。
居心地が悪くなって逃げたのはそう、私だ。



