「ウインナちょーだい」
「え、あっ、はい…」
「卵焼きも寄越せ」
「ど、どうぞ」
「……もうちょい塩効かせろってママに言っとけ」
「ええっ、甘いのがおいしいのに…!」
なにがあっても絶対。
どんなことがあっても私は真琴の友達でいる。
私だけはずっと真琴の友達でいてやる───、
勝手に誓った約束が数年後の自分を苦しめてくるなんて。
「りっちゃん、お祭りでのこと…、ごめんなさい…」
「……わすれた」
「わたしは忘れない…、心配してくれたりっちゃんにすごくひどいこと言っちゃったもん」
普通だよ。
真琴が言ったことって、普通なんだよ。
その通りすぎて何も言い返せなかったんだ私。
心配───とか。
やっぱ分かってないじゃん。
あれが心配だと思えるなら、真琴は私とは同じものを1コも見ていない。
「お母さんから聞いたよ…?お兄ちゃんとタコパしたんだってね」
あの母親め。
電話で真琴のお母さんにベラベラ話したな…。



