学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。





「律ちゃん律ちゃん…!真琴ちゃんが大泣き───あっ、戻ってきてくれた…」


「……これ、絆創膏。傷だけは残らないようにどうにかお願い」


「わっ、やさし……。でもそれ言うんだったら律ちゃんが手当てを…!あっ、行っちゃった…」



常に常備してる絆創膏だって、自分に使ったことなんかほぼほぼない。

いつも多めに持って、今みたいにサッと差し出すために。


別れた、とか。


前までの私なら喜んでたお知らせだったかもだけど、微塵も嬉しくないどころか腹立つ。



「りっちゃん、いっしょお弁当…」


「あー…。今日購買だから、ちょっと待ってて」


「う、うん…」


「リリコ~、購買いくぞー」


「あっ、はーい!待って律~!!」



これが、新しく作り上げた関係だった。


話しかけられれば話すし、誘われたら応えて、もちろん何かあれば私からも向かう。

どこからどう見ても単なる友達で、ごく普通のクラスメイトってだけ。