「だれも報われないエンドにしてどーすんの。…私のためにもぜんぶは壊すなって」
「ち、ちがうよ…?わたしはりっちゃんのために、あっ、待って…!りっちゃん待っ───わっ、きゃ…っ!!」
豪快に転んだ音にすら振り返らなかった。
いーんだよ真琴は好きなひとを選んで。
自分の恋を選んでいーんだよ。
そこをやめる必要はないし、ほら影響出ちゃってんじゃん上鷹のほうにも。
この結果だけは私のことも上鷹先輩のことも、藍さんのことも救わない最悪のシナリオだ。
「いたいっ、痛すぎる……!うぅぅ…っ」
「真琴ちゃん大丈夫…!?転んだの…?」
「りっちゃぁぁんっ、いたいぃぃ…っ」
「律ちゃーーん!!ちょっと真琴ちゃんが大変なことになってる……!」
どーせ3分したら泣きやむ。
真琴は5歳児だから、ああやって大袈裟に泣いて構って欲しいだけなんだ。
甘えすぎなんだよ私に。
基本は難しいこと考えないくせ、なんで変なところで考えてんだよ。



