「ごめんねえ藍くん…。おばさんタコ買ってこようか!先にふたりでエビ入れて始めてて!」
「でもエビ焼きも変わってていいんじゃないですか…?もう暗くなってきましたし、俺はぜんぜんエビでも大丈夫です」
「「え?」」
母娘の圧、藍さんに向かう。
「いやその、俺はエビ焼きでも───」
「「え?」」
「……え、エビでかまへんで~」
「さよかー。おかん、はじめんでー」
「せやね!やろか!」
「律ちゃんもおばさんもキャラ崩壊やばいって。方向性がわからんて。俺は標準語で食べますよ?」
この日作った、たこ焼きならぬエビ焼きは。
小さかったり大きすぎたり、うまく丸まらなかったり、ちょっと焦げてしまったり、反対に火がまだ通っていなかったり。
もう少しああしていれば、とか。
そんな後悔ばかりで思うようには作れなかった。
「おかん、なんやかんやエビ成功やで」
「ほんま!?よかったわ~!藍くんどない!?」
「…はい、美味しいです」
「「え???」」
「………う、海の宝石箱やー」
たしかに強がりやお世辞はあったかもだけど、すごく美味しくて楽しかったのは本当。
*



