天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

次の日、一人で寝るには広すぎる寝台で、私は目を覚ました。

 雲朔は、私の負担にならないようにと早々に帰っていった。どこまでも私に甘いし、私が嫌がることや怖がることは決してしない。

 それなのに、どんどん雲朔が怖く感じてしまうのだから困った。

(どうしたらいいのかしら。私、雲朔のことを好きじゃなくなっている)

 はっきりと自覚してしまった自分の気持ち。

 好きとか好きじゃないとか、そんな感情で結婚を反故することはできない。

雲朔は皇帝で、雲朔が望むなら、私が奴隷に落ちることも、一夜の遊び相手になることも、殺されることになったとしても文句一つ言えない身だ。

 離れていた数年の歳月は、あまりにも長かった。人が変わるには十分すぎるほどに。

「お嬢様~、朝餉の準備ができましたよ」

 呑気な声で、いつも通り明るく部屋に入ってきた亘々だったが、深刻そうな私の顔を見て、思わず固まった。

「どうしたんですか、お嬢様」