天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

  雲朔は、私が妲己のような悪女になっても受け入れると言っている。そんなの、受け入れないでほしい。そうなってしまったら、幻滅してほしいし、怒ってほしい。

 泣き出しそうになっている私を見て、雲朔はハッとして抱きしめた。

「辛かったね。ごめんね、迎えにいくのが遅くなって」

違う、全然違う。

 悲しくて泣きそうになっているのは、それが理由なんかじゃない。

 でも、そのことを雲朔に伝えることはできなかった。なにを言ってもわかってもらえないと思ったからだ。

 雲朔に抱きしめられながら、この人を愛すことはできるのだろうかと思った。

 恋焦がれて、結婚を熱望した雲朔はもういない。

 どうしたらいいのだろうと絶望だけが押し寄せる。