「おかげさまで。亘々が来てくれたおかげよ。ありがとう」
「喜んでくれて良かった。華蓮が望むなら、なんでも取り寄せるよ。なにが欲しい?」
雲朔は私の頭を柔らかになでた。
昔もこうしてよく、頭をなでてくれた。雲朔になでられるのが大好きだった。
でも今は、触れられると少し怖い。そう思っていることを雲朔に悟られないように努めて普通を装った。
「十分満足よ。女官たちも親切で優しいし、宮殿も私には広すぎるくらいだわ」
「華蓮には苦労をかけたからね。これくらいは当然だ。もっと強欲になっていいんだよ」
「だめよ、妲己(だっき)になってしまうわ」
妲己とは、王朝を滅亡に導いた悪女の名である。
「華蓮になら、振り回されてみたいな」
冗談ではなく、本気でそう思っていそうなので厄介だ。
溺愛してくれるのは嬉しいけれど、限度がある。苦笑いするしかなかった。
「喜んでくれて良かった。華蓮が望むなら、なんでも取り寄せるよ。なにが欲しい?」
雲朔は私の頭を柔らかになでた。
昔もこうしてよく、頭をなでてくれた。雲朔になでられるのが大好きだった。
でも今は、触れられると少し怖い。そう思っていることを雲朔に悟られないように努めて普通を装った。
「十分満足よ。女官たちも親切で優しいし、宮殿も私には広すぎるくらいだわ」
「華蓮には苦労をかけたからね。これくらいは当然だ。もっと強欲になっていいんだよ」
「だめよ、妲己(だっき)になってしまうわ」
妲己とは、王朝を滅亡に導いた悪女の名である。
「華蓮になら、振り回されてみたいな」
冗談ではなく、本気でそう思っていそうなので厄介だ。
溺愛してくれるのは嬉しいけれど、限度がある。苦笑いするしかなかった。



