天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

「宮廷に着くまで、ずっと雲朔様と一緒だったんですよね。よく精神耐えられましたね」

 すごい言い草だ。近くに女官がいないことをいいことに、言いたい放題だ。

「私にはとても優しいのよ。でもやっぱり、二人きりだと緊張する……」

 亘々は「気持ちは痛いほどわかる」という同情の目で私を見た。

 数刻前まで、国一番の幸せ者と言われていたのに、なんだこの落差は。

「実はお嬢様に報告しないといけないことがあったのですが、ちょっとやめておこうかな」

「なによ、そこまで言っておいて言わない気?」

「でも、さらに雲朔様のことが怖くなってしまうかもしれないですし……」

「私は雲朔のお嫁さんになるのよ。私だって雲朔のことを全て知る権利はあるわ」

 亘々は「それもそうか」と独り言ちして、小さな声で告げた。

「お嬢様を虐げていた村人たち。島流しにするそうです」

「え⁉」

 私はびっくりして大きな声がでた。