天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

私は粥を茶杓で掬い、フーフーと息を吹きかけながら言った。

「次期皇帝候補だったら大変ですよ。うっかり皇后になってしまったら莫大な責任感と忙しさですからね。とてもじゃないですけど、お嬢様には務まりません」

「失礼ね、私だってやればできるんだから。それに、皇子だろうが玉の輿だろうが関係ないの。もしも雲朔が農夫でも私は結婚するわよ」

私の言葉に亘々はあきらかに嫌そうな顔を見せた。

 顔に「げっ」という言葉が書かれている。

「まあでも、雲朔様は神童ですからね。あれだけ頭が良ければ商人になっても成功するでしょう。玉の輿ですね、た・ま・の・こ・し!」

 再び亘々は不思議な垢抜けない舞を踊った。お世辞にも上手いとはいえない。

「ねえ、それより亘々はどうしていつも私の側にいるの? 女官の仕事が忙しいのではないの?」

 私の言葉に、亘々は両腕と片足を上げた体勢で固まった。