天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~



「いや~、お嬢様、やりましたね。玉の輿ですよ、た・ま・の・こ・し!」

 自らの殿舎の部屋で、卓子に腰掛けながら朝餉を食べていた私の目の前で、亘々が踊るようにはしゃいでいた。

 私のやんちゃのせいで、いつも怒ってばかりの亘々がこんなに機嫌がいいのには理由がある。

皇子を命懸けで守ったという功績は高く評価され、雲朔からの要望により私は正式な雲朔の婚約者となったからだ。

 一ヵ月前の亘々は、二人が川で溺れかかったと聞いて、魂魄が口から出るんじゃないかと思ったほど悪い意味で衝撃を受けたらしい。

 ちなみに冷たい川の中に入った雲朔はそれから数日間熱を出して寝込んだが、私はまったく平気だった。

「こんなお転婆娘、嫁の貰い手なんていないんじゃないかと董大将の頭痛のタネだったのに。まさか皇子をお掴まえになるとは。しかも将来有望の第五皇子。ちょうどいいところですね」

「ちょうどいいってどういうこと?」