天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

  ……四年前。

 僕の世界はいつも足元にあった。

 僕は常に下を向いていたし、歩く時なんかほふく前進の時もあった。

 なんでそんなことをしていたかというと、地面には【虫】がいたからだ。

「変人皇子」

 僕はそう呼ばれていた。それを知ったところで当時の僕にとっては、まったく腹が立たないほど些細なことだった。

 人間には興味なかった。というか、虫以外、僕の関心を引き寄せるものがなかった。

 僕は三歳になるまで一言も喋らなかったので、両親は僕に障碍があると疑っていた。僕を産んだ時の両親は、若いとはいえなかったし、五番目だったのもあり、仕方ないと思っていた。

 僕に知的な障碍があるかもしれないと思っても、両親はそれほど気にしていなかった。生涯僕を保護する者はたくさんいる。人生を楽しく生きてくれればそれでいいと思っていたらしい。