「書庫でね、細長い帛書(はくしょ)の巻物を見つけたんだ。なんだったと思う?」
「雲朔がそれほど興奮するものですものね。虫の図録(ずろく)とか?」
「うん、まあ、それも見つけたら嬉しいけど、もっと凄いものだよ。宮城の見取り図だ」
目を輝かせる雲朔に悪いとは思いつつも、なんだそんなものかと私は思った。なにがそこまで凄いのかまったくわからない。
「雲朔は地図が好きなの?」
「好きとか嫌いとかじゃなくて、見取り図さえ頭に入れておけば、暗渠(あんきょ)の場所も秘密通路も把握できる。なにかあった時の凄い武器になるんだ」
私はなにかってなにがあるのだろうと思った。大栄漢国は平和で、後宮生活に不便はない。でも、秘密通路という言葉は冒険心をくすぐる。
「秘密通路は楽しそう! 今度こっそり入ってみましょうよ」
「雲朔がそれほど興奮するものですものね。虫の図録(ずろく)とか?」
「うん、まあ、それも見つけたら嬉しいけど、もっと凄いものだよ。宮城の見取り図だ」
目を輝かせる雲朔に悪いとは思いつつも、なんだそんなものかと私は思った。なにがそこまで凄いのかまったくわからない。
「雲朔は地図が好きなの?」
「好きとか嫌いとかじゃなくて、見取り図さえ頭に入れておけば、暗渠(あんきょ)の場所も秘密通路も把握できる。なにかあった時の凄い武器になるんだ」
私はなにかってなにがあるのだろうと思った。大栄漢国は平和で、後宮生活に不便はない。でも、秘密通路という言葉は冒険心をくすぐる。
「秘密通路は楽しそう! 今度こっそり入ってみましょうよ」



