天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

二人きりになりたいのだろうと思って、女官たちも追いかけることはしない。

雲朔がいれば私はいい子にすることは知っていたし、やんちゃ娘のお守りをしてくれるのはありがたいのだろう。

 兄と妹のように親しい関係だったけれど、私は雲朔のことをしっかり男として見ていたし、恋愛感情も持っていた。

雲朔の前では、背伸びして女性のように振る舞おうとしているけれど、なにぶんまだ根が幼くて、兄を慕う妹のようにしか見えない。

 雲朔は無邪気に好意を向ける私のことを妹のように可愛がって、なにかと気にかけてくれていた。でも、私が向ける好意が、恋愛感情であるとは気がついているとは思えない。

 私と雲朔は、皇宮園内にある四阿(あずまや)にしつらえられた長椅子に並んで腰をおろした。

雪は降っていないとはいっても、何もしないで座ったままでいるのは辛い。

互いの熱を補うかのようにぴったりとくっついていた。