天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

 俺の言葉に、弦武は下を向いて少し考え込み、考えがまとまったのか晴れやかな表情で顔を上げた。

「俺はいつだって自分のことしか考えていませんよ。禁軍にいたいからいる。戦いに参加したいから参加する。誰かのために行動していたら、ここにはいません。両親からは猛反対でしたから」

 弦武の答えになぜかほっとする俺がいた。

「お前は雲朔とは違うな」

「当たり前でしょう、皇帝ですよ」

「でも変人だ」

「知ってます」

 俺たちは顔を合わせて笑った。

「あいつ滅多に顔見せに来ないよな」

「俺たちに会うより、皇后に会いたいのでしょう」

「薄情な奴だよ」

「そういう人です。元から情なんてありません」

 散々な物言いだが、俺たちは雲朔が好きだ。

皇帝になろうが、なんだろうが、雲朔は雲朔だ。戦いの時にしか会えなくても、俺たちはあいつのために命を張っている。

それでいい、見返りなんて元から求めていない。あいつが元気でいれば、それでいい。