天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

 雄珀の体が頑丈だからなのか、驚異的な治癒力からなのか。そのどちらでもないと俺は踏んだ。

「言い伝えでは、尸鬼になるのは憎しみや怒りで支配された者だという。つまり、尸鬼になるかならないかは、体ではなく心が関係しているのではないだろうか」

 これは推測というよりも、俺の直感だ。これまで直感に頼って外れたことがない。直感によって生かされていたといっても過言ではない。

「だとしたら、まずい状況ですね。ここの村人たちは率直に言って性格が悪い」

「そうだな、文句ばっかりは一人前だ」

「石を投げてくる時点で最低ですよ」

 弦武と雄珀が互いに共感している。この二人は性格がまるで違うので、意見が合うことはまれだ。なかなか珍しい光景だと思った。ちなみに俺も、村人たちは性格が悪いという意見には同意する。

村人たちは、最初から表立って悪態をついてきたわけではなかった。

最初は遠くから誰が言ったのかわからない状況で言ってきた。それを無視したら、処罰されないとわかった村人たちはどんどん過激になっていった。

どこまでなら許されるか慎重に図りながらやっているので余計にタチが悪い。