天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

 謝ってほしいとは微塵も思っていないが、口に出されると腹が立つ。

 そもそも皇帝を目の前にして悪態をつくなどなめられている。どうせ処罰はしないだろうとたかをくくっているのだろう。

「そもそも、なんなんだよ、この気持ち悪い生き物は。尸鬼を発生させた皇帝なんて聞いたことがないぞ。よほど天から嫌われているんだな」

 村人は、落ちた尸鬼の頭を蹴った。その瞬間、絶命したと思っていた尸鬼の目が開き、大きな口を開けて村人の足首に食らいついた。

「あああああ!」

 村人の悲鳴が響き渡る。

 すぐさま尸鬼の頭に剣を突き刺し、串刺しにした状態で横に振り上げた。尸鬼の頭は俺の剣から抜けて飛んでいくと、遠くの木に激突し、頭は熟れた西紅柿(トマト)のようにドロリと崩れ落ちた。

「ああ、あああ、ああ……」

 尸鬼に噛まれた足首が火傷のようにただれている。その怪我の様子は雄珀と一緒だ。だが、少し様子がおかしい。

「大丈夫か⁉」