天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

「……彼らの言うことは一理ある」

 俺が視線を下げてポツリと呟くと、雄珀が俺の右肩を押した。

「一理もなにもねぇよ! 俺たちがどんな思いで簒奪帝を倒したと思っていやがる。どんな思いで命がけで戦ったか。国民のため、あいつらのためじゃねぇか、それを……」

「待ってください。気持ちはわかりますが、今は……」

 弦武が熱くなった雄珀を止めると、村人たちの方から悲鳴が上がった。

尸鬼が村人たちに襲いかかったのである。

(しまった!)

 俺は一足飛びで尸鬼に向かい、先ほど罵倒してきた村人を尸鬼が喰おうと大きな口を開けた瞬間、尸鬼の首を斬り落とした。

 ボトっと音を立てて、尸鬼の頭が村人の足元に転がり落ちる。

「う、うわああ!」

 村人は腰が抜けたのか尻もちをついて倒れた。

 尸鬼が動かなくなったのを確認して、村人に背を向ける。

「ここは危険だ、早く逃げろ」

「おお、俺は謝らないからな!尸鬼を倒すのは当然だ。それが皇帝の仕事だろ?」