天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

「しかしまたお前と旅ができるとはな。宮廷に戻ってからは、お前は女にうつつを抜かして会う機会もなくなっちまったからな」

「誤解を招く発言はやめろ。女遊びをしていたわけではない」

 でも、うつつを抜かしていたというのはあながち間違ってはいない、と俺は心の中で付け足す。

「政治ばっかりで体を動かしていないからなまっちまったんじゃねぇのか?」

「仕方ないだろ、高官たちに仕事を丸投げして旅に出ていたんだから、押さなければいけない判が山積みだったんだ。それに国の借金もどうにかしないといけないし」

「そうだなぁ、今やお前は国一番の借金持ちだもんな。そんな男に嫁いでしまったお嬢ちゃんも難儀だよなぁ」

 俺は本気の殺気を込めた目で雄珀を睨みつけた。

 これにはさすがの雄珀もたじろぐ。しかし、これだけ俺が怒るというのは図星だからということだ。

 雄珀も冗談で言ったのに、俺がとても気にしていることだったことがわかったからか、それからは黙って焼き魚を食べたのだった。