天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

「それはそうですが、そもそも鴛家は一夫一婦制の鴛鴦を祖とするので、側室は持たないじゃないですか。後宮の意味あります?」

「それは……」

 なかなか痛いところを突いてくる。しかも、私は雲朔に妾はつくるなと約束させているし、もし浮気でもしようものなら大泣きして暴れるつもりだった。

 後宮って一体なんだろうか。昔から当たり前にある存在すぎて考えたこともなかった。

「いっそこのまま皇后権限で後宮を潰してしまうっていうのもどうですか?」

 亘々はニヤリと不敵に笑った。

「後宮を潰して外廷に引っ越すってこと? じゃあこの場所は何に使うのよ」

「それはまあ、色々活用法があるんじゃないですか?」

 色々ってなんだ、と私は思った。

そもそも思いつきで後宮を潰すなんてよくない。もしもいらないものならば、賢帝であった先代がすでになくしていると思う。

とはいえ、なにも知らない状態でアレコレ考えてもよくない。私は、しばらく考えたのちに急に立ち上がった。