天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

  抑えようと思っていても、抑えられなくなる可能性がある。結婚式前に最後に会った夜、雲朔が大人の男性に成長していたことを実感したのを思い出す。

「それなら、一言、そう言ってくれればいいのに……」

 すっかり形勢逆転してしまった私は、気まずそうに項垂れて言った。

「じゃあ、その一言を伝えるために会いに行って、我慢しきれずに押し倒してしまっても華蓮は構わなかったってこと?」

 ぐいと顔を近づけてきた雲朔。

「そ、れは……」

 目を泳がせる私に、雲朔はぷっと笑いを吹き出した。

「ごめん、ごめん。ちょっと意地悪だったね」

 雲朔は笑いながら私の頭をなでた。

「怒った顔の華蓮を久しぶりに見た気がするよ。そうそう、華蓮はこんな子だった」

「こんな子ってどんな子?」

 私は不満顔で雲朔を上目遣いで見た。

「自分の気持ちに素直で、お転婆で、とびきり魅力的な女の子ってことだよ」

 雲朔は私の顎を指先で持ち上げ、唇を塞いだ。