天帝の花嫁~冷徹皇帝は後宮妃を溺愛するがこじらせている~

 雲朔は、なぜ私が怒っているのか理由がわかると、困ったように目を泳がせた。

「いや、それは、その……」

 言い淀む雲朔に、私は怒りをぶつける。

「どうして来ないんだろう、嫌われてしまったのかとか毎日思い悩んでいたのよ、私!」

「え⁉ いや、そんなわけない。俺はずっとこの日を待ち望んでいたんだ」

「じゃあ、どうして急に来なくなるのよ!」

 怒っていた私の目が潤んでいるのを見て、雲朔はとんでもないことをしてしまっていたのだと、ようやく事の重大さに気がついたようだ。

「それは、その……会ってしまったら我慢できなくなると思ったんだ」

 雲朔は気まずい表情をしながら打ち明けた。

「我慢?」

「うん、口付けだけじゃ抑えられる自信がなかった。でも結婚式までは抑えなければと思って、会いにいけなかった」

 予想もしていなかった言葉に、私の怒りは急激に萎んでいった。

「え、そんな理由で?」

 私の言葉に、今度は雲朔が怒った。

「華蓮にとってはそんな理由かもしれないけど、俺にとっては重大なんだ」