「……もしかしたら雲朔様は、尸鬼(しき)に体を乗っ取られてしまったのかもしれません」
亘々は神妙な面持ちで告げた。
「尸鬼? あの古い言い伝えの? でも、憎しみや恨みが増幅して尸鬼になってしまったら、体も鬼になるはずじゃない」
「詳しいことはわかりませんが、雲朔様が尸鬼になってしまったと考えたら全ての辻褄が合うと思いませんか? ひ弱で武道はてんで駄目だった雲朔様が、禁軍大将をも上回る武力を手にし、国を取り戻したのですよ? なにか不思議な力を手にしたとしか思えません」
「それもそうだけど……。でも、尸鬼なんて……」
尸鬼は元々邪悪な性格の人間がなるものだ。人間誰しも、憎んだり羨んだり、負の感情に苛まれることはある。
そうなった時に、みんなが尸鬼になってしまったら大変だ。
尸鬼になってしまう人間は、元からそういう悪い素質を持っていた者だけがなる。雲朔は善良な人間だったと断言できる。
「調べる価値はあると思います」
亘々は神妙な面持ちで告げた。
「尸鬼? あの古い言い伝えの? でも、憎しみや恨みが増幅して尸鬼になってしまったら、体も鬼になるはずじゃない」
「詳しいことはわかりませんが、雲朔様が尸鬼になってしまったと考えたら全ての辻褄が合うと思いませんか? ひ弱で武道はてんで駄目だった雲朔様が、禁軍大将をも上回る武力を手にし、国を取り戻したのですよ? なにか不思議な力を手にしたとしか思えません」
「それもそうだけど……。でも、尸鬼なんて……」
尸鬼は元々邪悪な性格の人間がなるものだ。人間誰しも、憎んだり羨んだり、負の感情に苛まれることはある。
そうなった時に、みんなが尸鬼になってしまったら大変だ。
尸鬼になってしまう人間は、元からそういう悪い素質を持っていた者だけがなる。雲朔は善良な人間だったと断言できる。
「調べる価値はあると思います」



