「…じゃあ誰だ」
「……元カレだよ元カレ。半年も続かなかったけどねー。…最悪だよほんと。こーいうのに限って忘れてくれないんだから私の脳ミソは」
先生からはいちばん遠いものだよ。
恋だの愛だの、興味なさそうだし。
とか言って数あるわりには、実際はひとつも知らないのが私だ。
「私にはこれでじゅーぶん」
ベッド脇に置いてあるゲーム機。
スイッチを押すだけでキラキラした世界が始まって、画面に映った彼は私のことだけを見てくれる。
どんな人間が操作しているかも関係ない。
画面内の私はとても可愛らしくて、毎日を精いっぱい生きている女の子だ。
「なーに。さみしくて憐れとでも思った?」
いつまでそこに立ってるの。
蓮夜にも会えなくなって、けっこう退屈な毎日なんだよ私。
毎日がリハビリと検診の繰り返し。
ちょっとくらいの息抜き、いいでしょ?
「ちがう。そうじゃない」
「だったらなに。いつも以上に仏頂面しちゃって」
「…………」
「…先生ってさ、かなりイクジナシだよねー」



