だから向いてないんだってば。
そんな顔をまだ生きている患者に見せちゃダメでしょ。
優しすぎるんだよ、あなたは。
「さっきは悪かった。すこし…強くしすぎた」
「……へーきだよ」
ねえ、ダークマン。
さっきのあれ、抱きしめられたって都合いい解釈してもいい?
だってちょうどその前に見ていたムービーでも、私が恋しているキャラクターが画面内で似たようなことをしていた。
バックハグいいなあ!
背中から抱きしめられるとかちょー憧れる…!!
とか言ってる私を見てたよね、先生。
「蓮夜、嬉しそうにしてたね」
「…ああ」
それから隔離部屋に移動した小さなヒーローは、私とも滅多に会うことができなくなった。
白血病は感染症にもかかりやすく、その影響で状態が急変することも少なくないのだそう。
だいじょうぶ。
どんなにダークマンが現れたって、必殺技で倒しちゃえるよあの子なら。
そんなものにしかすがれない現実が、ほんとうは苦しくてたまらなかった。



