「も~、みんな心配しちゃってさー。ぜんぜん大丈夫なのに」
「今日の薬は飲んだか」
「飲んだ飲んだ。飲みましたよーだ」
その日以来、てんかん発作というものが起きることはなかったけれど。
今まで以上に医者たちが気にかけてくるようになった。
とくにこいつ、斑鳩 泰斗っていう担当医。
時間さえできれば私の病室に入ってくるんだから、困るよもう…。
増えた薬もちゃんと飲んでいるし、抗がん剤治療に放射線治療、文句を言わずに受けてるってのに。
「うそっ、ここでムービーゲット!?やったー!やっぱりあの選択であってたんだ~」
「……なんだそれ」
「ふふん。私ね、いま恋してるの。クールで完璧って呼ばれてるけど実は恋愛になると超超初心者!な、年上アイドルとね!!」
呑気な奴だ、とでも思っているんだろう。
数日前はあんなことがあって、下手したらそのまま命に関わる危険があったらしい。



