65リットルよりも、笑って。





意識に抗うみたく、私の全身は跳ね上がる。

ナースコールで呼ばれてすぐに看護師含め主治医が駆けつけては腕に注射剤が打たれ、しばらくすると状態は落ち着いた。


それは発作を抑える抑制薬だったようで、気づけばベッドに仰向けの私を医者たちが覗きこんできた。



「なゆちゃーん、佐野さーん、先生のこと分かるかなー?先生の声が聞こえるかなー?」


「…………」


「まだ頭がぼんやりしているね。もしかすると抗がん剤を打ったアレルギー反応の可能性もある。間宮さんはPTの佐藤先生のほうにも連絡を頼めるかい」


「わかりました」



自分は大丈夫なんじゃないかって、自分はそうはならないんじゃないかって、心のどこかでは思ってしまっていた。

いつも笑顔で名前を読んでくれて親身な医者たちの、初めて見る緊迫した表情。


これが私の病気なんだと、全員の顔が物語っていた。