「他に何か症状はあった?吐き気だったり、記憶のほうに気になることとか」
症状とか言われたら、あれもこれも病気だったんだって思ってしまうからやめてほしい。
おばさんは診察室で何を聞かされているんだろう。
「なんでも話してね。私たちはどんなに小さなことでも教えてほしいの」
「…視界が……」
「視界?」
「うん。これは本当に最近のことで、…視界がね、たまにぼやけたり……、あとは普通に物忘れがひどいなって」
「やっぱり…もうそっちにも影響が出ているのね…。ひどいって、どれくらい?」
「……すぐ前のことでもメモしないと忘れちゃうくらい」
ねえ、普通こんなこと聞いてくる?
恥ずかしいよ。
だって認知症みたいじゃん。
若年性認知症っていうのが流行ってるって、前もテレビでやってたし。
ってことを思い出せるから私は大丈夫なの。
だいじょーぶ、なんだよ。
「ごめんね。ちょっと質問が多かったわね」
「…へーき」



