65リットルよりも、笑って。





たぶんおばさん、そのまま来た。

頭が痛いから病院に行くと知らせてはいたが、おばさんも今日はとくに予定もなく家でゴロゴロしていたはず。


トレーナーにジーンズ、ラフすぎる格好で診察室に現れた親戚は、揃った2人の白衣と1人の看護師を目にしてどこか改まった。



「急に呼びつけてしまって申し訳ないです。佐野さんの保護者の方でよろしいでしょうか?」


「は、はい…」


「どうぞお座りください。なゆさんは外の待合室で少し待っててもらえるかな。…間宮(まみや)さん、お願い」



なゆさんはこちらへ───と、穏やかそうな看護師さんに案内されるがまま、私は退室。


寸前、若き研修医とぶつかった視線。


白衣姿だとまた印象が変わるのが悔しいし、本当に医者だったことにも驚きだ。

べつに疑ってたわけじゃないけどさ…。



「いっきに名前が増えるなあ、今日…」



そんなに覚えらんないよ。

さすがにイカルガだけは、インパクト強すぎて脳に埋め込まれたけど。


イカルガでしょ、あと渡会先生、それから……、