できれば呼びたくない。
頑なにも呼ぼうとしない私に、渡会先生の隣に立つ“研修医”と表記された名札を取り付けた男は鋭く見つめてきた。
こんなことしてるあいだに命がなくなるかもしれないんでしょ。
わかってるってば。
「もしかして……ものすごい病気だったりしたんですか?なんだっけ、ええと…、指定難病、みたいな」
冗談のつもりだった。
「そうではないよ」を、期待した質問だった。
「…………」
この沈黙は嫌だな…。
だってさ、言って頭痛だよ?
ただの頭痛と、ちょっと物忘れがひどいかなーってくらい。
そんなの誰にでもあることだろうし、一時的なものだろうし。
だからわざわざ大学病院さんで診てもらう程のものじゃない。
が、先生は言葉を濁す以前に否定すらしなかった。



