65リットルよりも、笑って。

泰斗side




今日は休日。

朝から準備をして、慣れない服を着て、髪型も祭りやクリスマスのときのようにいつもと違うことをしてみたり。


そんな朝はごく一般的に見れば彼女とのデート準備とも言えるが、どこか切なかった。



「なゆちゃん、斑鳩くんが来たみたいだよ」



待ち合わせ場所としていた409号室の扉をいつもとは少し違う新鮮な気持ちで開けると、そこには同じようにめかしこんだなゆがいた。


担当看護師でもある間宮 美子にメイクをしてもらったらしい。

俺は癖のようなものでつい顔を逸らしてしまったが、「そんなことするな勿体ない」と自分自身に命令をして、戻す。



「快晴でよかったね。気温も20度を超すらしいから、過ごしやすくてぽかぽかしてると思うわ」



片側サイドに下ろされた三つ編みヘアの仕上げになゆのお気に入りである赤いニット帽をしっかりと被せてから、看護師は俺たちに笑いかけた。



「おはようなゆ。よく寝れたか?」


「………せ、」


「ああ。俺は楽しみであまり眠れなかったな」