「……ねえ。もしかして…きのう私、暴れた…?」
「ああ。降臨なさった」
「…そんな敬うものじゃないから」
私が暴れ出すのは大体が夕方から夜らしく、翌朝になって目が覚めたときは必ず冷静。
けれど409号室内はまるで嵐が去ったあとのような散らかり様だから、いつもいつも参っている。
「ちょ、待って嘘でしょ…!?……やられた…、全データがリセットされてるんだけど……」
「まじか。ってことはそれで悲しくて泣いてたのか、スペシャルなゆは」
「…なにそれ……、自分でリセットして自分で泣くって…。スペシャルなゆってほんっとガキすぎて情けなくなる…」
スペシャルなゆ。
それが、もう1人の自分の名称。
誰が付けたのかもう忘れちゃったし、どこがスペシャルなのか意味不明だけど、こうすることで本来の自分が保たれるところがあった。
二重人格というわけではないが、私のなかにはもう1人の子供で赤ちゃんな激しい自分がいることを自覚する。
でもそれは同一人物なんだよって、理解して受け入れてあげるんだ。



