65リットルよりも、笑って。





「……ねえ。もしかして…きのう私、暴れた…?」


「ああ。降臨なさった」


「…そんな敬うものじゃないから」



私が暴れ出すのは大体が夕方から夜らしく、翌朝になって目が覚めたときは必ず冷静。

けれど409号室内はまるで嵐が去ったあとのような散らかり様だから、いつもいつも参っている。



「ちょ、待って嘘でしょ…!?……やられた…、全データがリセットされてるんだけど……」


「まじか。ってことはそれで悲しくて泣いてたのか、スペシャルなゆは」


「…なにそれ……、自分でリセットして自分で泣くって…。スペシャルなゆってほんっとガキすぎて情けなくなる…」



スペシャルなゆ。

それが、もう1人の自分の名称。


誰が付けたのかもう忘れちゃったし、どこがスペシャルなのか意味不明だけど、こうすることで本来の自分が保たれるところがあった。


二重人格というわけではないが、私のなかにはもう1人の子供で赤ちゃんな激しい自分がいることを自覚する。

でもそれは同一人物なんだよって、理解して受け入れてあげるんだ。