65リットルよりも、笑って。





「ごめん、美子ちゃん。ちょっと着替えたいから手伝ってもらっていい…?」 


「もちろんよ。私ね、なゆちゃんが妹みたいで可愛くてたまらないの」


「へへ。手のかかる妹でごめんねえ〜」



それさえ看護師さんの優しさなんだって守りに入るしかできない自分はどうしようもない。

気にしないで、遠慮しないで、申し訳ないと思わないで───彼女は本当は私に、こんなことを言いたいんだろう。



「心配しなくて大丈夫だからね、なゆちゃん。きみはひとりじゃないよ」


「…これからも引き続き…ご迷惑をかけます」


「迷惑なんかじゃない。みんながチームなんだ、仲間なんだよ」


「…ありがとう。渡会先生」



いわゆるこれが、麻痺症状ってやつ。

今はまだ運動障害だから、対処法はある。


しかし感情が制御できなくなる精神障害が生じると、最悪それが自傷行動に繋がりかねない場合も出てくるらしい。


まだ私はそこまでじゃないから大丈夫……だと、信じたい。