「…どうかな?」
「……わりといけそう、かも」
主治医も見守るなか、とうとう佐藤先生に渡されてしまった松葉杖。
日が経つに連れて動かしづらくなった私の右半身。
奇跡というものに賭けていたわけでもないが、予想されていた症状は嘘をつかなかったというわけだ。
「車椅子という手もあるんだけれど、まだ動かせるなら尚更つかえる筋肉を鍛えよう」
「うん、松葉杖でいけるよ全然。車椅子ってほどじゃないや」
「…そっか」
それからというもの私は、普段どおり歩くことが困難になった。
歩き方すら分からなくなるほど、自分の意思で肉体を動かすことが難しくなり、足だけでなく腕にも影響が出るようになった現在。
結局こうなるのかあ……。
「にしても右半身だけってのもさー、嫌なことするね神様は。ここまできたら変に希望なんか持たせなくていいのに、もう」
美子ちゃんもそう思うでしょ?
なんて笑いかけると、どう反応すればいいのか分からない顔にさせてしまう。



