「雪、今年は降ってくれると思う?」
12月に入った。
別の言い方をするなら、余命宣告されてから約3ヶ月が経った。
この町は雪が降るほうが珍しく、あたり一面が白銀の雪景色なんてものはない。
「雪、見られるのかな…私」
ねえ、と。
窓から見える景色を一緒に眺めていた担当医へ、視線を移してみる。
「………、…だれがチューしろって言ったし」
「…そんな顔してただろ」
「……なんじゃそら」
ふたりきりを良いことに。
まあ12月って世間ではロマンチックな季節だし?
赤い服を着た白い髭のおじいさんが、トナカイに乗って子供たちにプレゼントを渡しに来てくれる季節だし?
なんてものは関係なく、この男はいつも似たような言い訳ばっかりだ。
「ね、先生。クリスマスとかって病院では何かしないの?ほら、子供いっぱい居るでしょ?」
思い出す小児科病棟。
小児科病棟と想像して連想される子は、私にニット帽を譲り渡してくれた可愛い男の子。



