それは、この薄暗いなかでも分かる赤色を隠したかったのもあったはず。
ほんと、らしくないね。
すっごいらしくないけど、すごく斑鳩 泰斗らしい。
「先生…、すっごいドキドキしてる」
「……当たり前だろ。こんなの…初めてだ」
「…もしかしてファーストキス?」
「………、」
「うそ。なにそれ……うれしー…」
そっと身体が離されると、今度は繋がれた手。
空いているほうの手で、目の前の頬を撫でてみる。
叩いちゃってごめんの、気持ちだ。
「…ギリギリセーフだよ、先生。18歳が成人年齢に変わってよかったね」
「………あぶねえ」
「ねえ、もしかして今気づいたとか?」
生きることを諦めたんじゃない。
私は死を受け入れて、このひとつの命として、今ある時間を精いっぱい生きてみることを選んだの。
ねえ、先生。
これ、先生のキスみたいにすっごく私らしくない“後付け”でしょ?



