65リットルよりも、笑って。





「優しくするなら……ゆるす」



それを聞いて、待ち望んでいた唇たちが触れあった。



「っ……」



やさしすぎる優しさに、全身が震えた。


ねえ、先生。

こんなこと言うのは傲慢かもだけど、私は先生にとって絶対忘れられない女の子になれたような気がする。



「…泣かせるよ、近いうち。ぜったいね」


「……覚悟はしてる」


「ほんと?じゃあ…そのあと必ず笑ってよ?」


「…頑張る」



「幸せ」というものの形を見たような気がした。

言葉は命を超せないからと、行動で示してくれているのだとしたら。


これが「しあわせ」ってやつなのだとしたら、とんでもなく私は神様に愛されていると。


ぎこちなく、包み込むようにもう1度、重ねられる。



「……らしくないこと、言うぞ」


「……うん」


「────…俺はおまえしか、見えない」



それ、私の推しがよく言ってるセリフだよ。

ここにも私をからかってくる人間がいたのかと、ムッと唇を尖らせるより先に抱き寄せられる。