「そんなのは生き地獄だ」
「……いき、じごくって……、先生、それは苦しい…?」
「ああ。苦しい」
「悲しい…?私が死ぬより、そっちのほうが…悲しい?」
「悲しいだろ。好きな女が目の前にいるのに……優しくすることも許されねえとか…、無理だ」
「………へえ」
「…へえって、無関心すぎだろ」
そんなことないってば。
でもこのくらいわざとらしい反応してないと、ちゃんと会話すらできないんじゃないかって不安だから。
ズッ、ぐす、ズッ。
隠せるもんでもないね、ここまで来たら。
「俺は、おまえに触れたい。…なゆ」
拭っても拭っても、止まらない。
それが強がりや拒絶さえ無意味にしてしまう、何よりの本心だった。
「やさしく…する。やさしく、してやりたい」
もう十分優しくしてくれてるよ。
なに、そんな泣きそうな声してるの。
不安そうに覗きこんでくるから、涙ながらにも白衣をぎゅっと掴む。



